不動産会社は建物評価が不得意!?
前回のコラム「不動産価格査定の裏側①」では不動産価格査定の実態に触れましたが、今回は適正な査定価格の算出方法についてお伝えしたいと思います。
建物やマンションの室内の評価は新築住宅であれば簡単です。すべてが新品ですから商品価格として設定されていますので誰の目から見ても明らかですよね。
一方で中古住宅の建物評価は簡単には行きません。その住宅によって各種設備や外装のメンテナンス履歴は異なりますし、室内の内装や水廻り設備の状態も異なりますから単純な計算式では算出が不可能です。
さらには建物の構造に不具合や欠陥、劣化などの有無を調べるのは建築の専門知識が必要になるため、不動産取引のプロである不動産業者にとっては専門外となってしまうのです。
適正な査定価格を知る方法
簡易的に自宅の評価額を知りたい場合は簡易計算式で算出する「机上査定」で十分です。実際に取引された成約事例と比較し算出しているのである程度の相場観を手に入れる事が可能です。
真剣に売却を考えている場合はそういきません。買い替えの資金計画のためなど売却後の資金の用途が決まっていると、価格の大きな誤差は計画のとん挫に繋がってしまいます。
適正な査定価格を知りたいための方法として現在最も信憑性があると言われているのが専門家による建物診断(インスペクション)の結果を査定価格に反映させる手法です。
これは前回のコラム「不動産価格査定の裏側①」でも触れましたが、国土交通省がその手法や考え方を示し「価格査定マニュアル」として不動産業者向けにシステムを提供しています。
査定価格を知りたい目的によって、依頼する不動産業者を使い分けるのが賢い依頼方法と言えるのではないでしょうか。